今年8月、円堂都司昭著『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」』(青土社)が出版された。同書で円堂氏は、文学から音楽、映画にいたる戦後文化の夥しい数の作品を参照しつつ、その根底に「終末」と「再生」というテーマが流れていることを検証している。その対象はサブカルチャーにとどまらず、政治や経済の動きともリンクした戦後日本の精神史を描き出そうという大きな構えも見える。そして多角的に戦後精神史を追うなかで、サブカル的な作品の比重が次第に増えており、その点で本書は異色の「サブカル年代記」にもなっている。今回、リアルサウンドでは本書の音楽に関する考察に注目。本サイトの常連寄稿者でもある円堂氏にインタビューを行い、各時代のポピュラー音楽が「終末」と「再生」というテーマとどう関わってきたかを中心に話を聞いた。なお、同氏による「音楽におけるサブカル」定義については、以前の記事を参照していただきた