【ニューデリー=田北真樹子】インド政府は、伝統医学アーユルベーダなど古来伝わる知識を「伝統知識デジタル図書館(TKDL)」として管理し、海外で外国企業などが、インドに由来する商品の特許を取得することを阻止している。TKDLは知的財産の保護に大きくつながるだけでなく、伝統知識を特許化すればインド政府の莫大(ばくだい)な収入源になる可能性も秘めている。 ■日本企業の4件も却下 TKDLを管轄するのは科学技術省の傘下にあるインド科学産業研究委員会(CSIR)。CSIRのVKグプタ会長によると、インドは昨年2月から、欧州特許庁(EPO)にTKDLへのアクセスを許可した。それ以降、EPOが受け付けた特許申請のうち、36件がインドの伝統知識によるものだと判断された。このうち13件が申請を却下され、残りの23件も同じ結果になる見通しだという。 却下された申請の中には、日本企業からのものも4件含まれていた