パームウッド沈没船から引き揚げられた、ダマスク織の絹のドレス。1620年代ごろのものと考えられている。何世紀も海底に沈んでいたにもかかわらず、保存状態は極めて良好だ。(PHOTOGRAPH BY KAAP SKIL MUSEUM) オランダの海底で発見された17世紀の沈没船。豪華なドレスなど数多くの貴重な遺物が見つかったことから、「王家のドレス」として注目を集めた。しかし、その後の研究によって、船やドレスの由来について謎が深まっている。(参考記事:「沈没船から17世紀の王家のドレス見つかる」) 沈没船が見つかったのは2009年。地元のダイビングクラブがアムステルダムの北に位置するテセル島で発見、その後2014年から2017年にかけて発掘調査が行われた。高価な硬い木材が積まれていたこの船は「パームウッド沈没船」と広く呼ばれるようになり、国際的な研究チームが約1500点に上る遺物の研究と保存を