27日の東京金融市場では、円相場が対ドル、ユーロとも急騰し、それぞれ一時1ドル=84円台、1ユーロ=126円台を付けた。対ドルで95年7月以来となる円高水準を嫌気して、日経平均株価は一時、今年7月以来の9100円台まで下落し、長期金利も急低下。これまでの円高ドル安基調に加えて、アラブ首長国連邦(UAE)の不動産バブル崩壊の懸念が世界の金融市場を大きく揺さぶっている。 ◇ 【ロンドン=有田哲文】UAEのドバイ首長国で、政府系企業の資金繰り問題が表面化した。欧州系銀行がドバイ向け債権を多く抱えているとの見方から円高ユーロ安が加速し、対ドルでの円高を誘う展開になっている。 欧州メディアによると、ドバイ政府が25日、政府系企業「ドバイワールド」と関連の不動産会社「ナキール」が抱える債務について、債権者に対して返済の延期を要請。ドバイワールドは590億ドル(約5兆円)の債務を抱えている