梅棹忠夫らが構想した、テレビ、マスコミを核とした「情報社会」のイメージを、今日の実際に近い、高速通信網によってパーソナル・コンピュータが結ばれるという社会像に変えたのは、1980年に出版されたアルビン・トフラーの『第三の波』であった。 「パーソナル」へのこだわりが強かった「アップルII」時代 トフラーがこの書で述べたのは次のような社会像である。 自然環境に恵まれた郊外に建つ家庭の中にある小型のコンピュータが高速の電話回線で結ばれれば、それがエレクトロニクス・コテージ(電子小屋)になる。そうなれば、もうわざわざクルマに乗って会社のあるダウンタウンまで出かける必要はなく、家にいて会社と通信して仕事をこなすことができる。 この「在宅勤務」の概念は、今ではもう誰もが構想し、学者や評論家でなくとも、一般の人が(そんなことになるはずはないよ、という正しい直感とともに)抱く「情報社会」のイメージとして定