書斎は「家の中で最も落ち着く場所」場所は、小田急線の鶴川駅から徒歩で15分ほど、歩いたところ。 太平洋戦争がはじまる2年ほど前から東京の郊外で田圃と畑のついた農家を探していて見つけたという武相荘は、いまなお、農家の佇まいを感じさせつつも、牛を飼っていた土間は洋間へと改造されていたり、白洲正子さんのセンスを存分に感じさせてくれていました。 例えば、門の傍らに何気なく並べられていた不揃いの椅子なんかもなんとなくいいなと感じてしまうのは、白洲マジックでしょうか。 邸内は撮影禁止ということで写真は残念ながらありませんが、正子さんが生前「家の中で最も落ち着く場所」と語っていたという奥の書斎は、折口信夫全集や南方熊楠全集が並んでいる本棚が壁いっぱいに据え付けられていて、その奥に正子さんが執筆していたであろう机が窓辺にあり、その小さな空間が僕にも確かに邸内で一番いい場所だなと感じられたり、生涯煙草を吸い