そんな風に思ってたのはきっと、実数には無理数というものがあるってことが頭にあったからだと思います。有理数は無限にありますが、無理数の無限は有理数の無限よりはるかに多い。 そのことはピーター・アトキンスの『ガリレオの指』で知りました。 自然数、整数、分数などを含む有理数は有限だが、自然対数の底 e や円周率 πなどの無理数は無限に存在します。そうであるがゆえに有理数が夜の空に輝く星だとすれば、無理数はそのあいだの暗闇にたとえられます。その宇宙の暗闇にまばらに散らばった存在でしかない有理数を用いて、数を数えられるのはほとんど奇跡に近いというわけです。 数字の1-2-3-4-5や英語の単語がそうであるように、必ず区切りが間に入っている。音楽における音譜も同じである。