不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 技術や手法の伝達ではなく、言葉として語って伝えることができない「智慧」の伝授ということを最近よく考えます。 まったく一介の隠居のおじいさんが語る昔話にすぎないのであるが、そこに長年の経験から得た、人間の真の「智慧」とも言いたいものがうかがわれた。能楽という一つの道に対するその盲目的な信仰は、思想的にも生活上にも、近代文明のもたらした不安な世の中には、何かしら羨ましいものにさえ思われてくる。 「梅若実聞書」は、白洲正子さんが自身の能における師でもあった二代目梅若実(五十四代梅若六郎)さんへの芸談に関するインタビューの記録として記したものです。その「はしがき」にあるのが上の言葉です。 この言葉に続いて、白洲正子さんはこんなエピソードを紹介しています。 私としては、曰く言いがたし