前回は、緩やかな「インフレ」が経済に与える好影響について説明しました。今回は、日本だけが「デフレ」から抜け出せない理由を見ていきます。 「実質GDPの成長率」は他の先進国とほぼ変わらない 前回紹介した名目GDPの推移の図を見て、日本はそこまでダメな国になってしまったのかと悲観された人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。 確かに停滞してきましたが、それはこれまでの政府が、人々のためになるからと勘違いして、デフレを放置してきたからです。いわば人為的な政策ミスであり、これから取り返せる程度の停滞でしかありません。なぜならば、日本の実質的な国力はまだそれほど衰えていないからです。 その証拠に、実質GDPの成長率をOECD先進国と比較したものを見てみましょう。日本は確かに最下位ではありますが、その差はまだそれほどではないといっていいでしょう。 [図表]OECD先進国の実質GDPの推移 図表