非常に珍しいことではあるが魚を食べて幻覚症状を引き起こす場合があるそうだ。サレマ・ポーギーを食べたときの話だ。 側面に伸びる金色の筋を特徴とするこの魚は、アフリカ大西洋沿岸から地中海へ至る温暖な熱帯の海に生息している。一見人畜無害な姿をしているが、サレマ・ポーギーは幻覚を引き起こすことで知られており、しかもそれは悪夢の類のものである。 そうした性質から、アラビア語で「夢を見せる魚」と呼ばれている。どうやらローマ帝国ではレクリエーションドラッグとして消費されていたらしく、またポリネシア人も儀式の最中に使用していたという。 今日では、この魚を食べてトリップしたという報告は滅多にないが、2006年の『クリニカル・トキシコロジー』誌に掲載さた記事で2つのケーススタディが紹介されている。