母親から父が癌になったとメールがきたとき、なんの根拠もなく、おそらく病状は深刻ではなく、切除すれば完治するだろうと思っていた。 今日、母親から、転移がひどく、完治の見込みはないとのメールがきた。 母親に電話をした。 心配をかけてごめんと泣いている。 謝る必要などないのに、いたたまれなかった。 みんなで頑張ろうと、気休めにもならないことを言って、電話を切った。 父親の思い出はあまりない。 仕事が忙しく、出張の多い人で、あまり遊んでもらった記憶が無い。 家にほとんどいなかった。 家にいても本を読むか、寝ているか、テレビを見ているかで、あまり会話もしなかった。 万引きで補導されたときはひどく怒られたけど、それ以外怒られた記憶もない。 父からいわれたことで印象に残っているのも「文学部は就職で不利だから法学部にいけ」ってことくらいしかない。 (結局文学部に入って父親の言うことは正しかったことを数年後
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