河川周辺の森林のうち、上流の狭い谷底や斜面にあるものを「渓畔林」、下流の氾濫原(洪水時に氾濫水に覆われる土地)にあるものを「河畔林」という。渓畔林にはケヤキやサワグルミ、シオジ、トチノキ、河畔林にはヤナギ類やハルニレなどが生育する。 渓畔林や河畔林は生態学的に重要な機能を持つ。具体的には、1)水面を覆って日射を遮断するため、水温が低く維持され、低温を好む魚類が生息できるようになる、2)葉や昆虫が河川に落ち、水生昆虫や魚類の餌となる、3)倒木が河川の中の生物の生息環境を豊かにする、4)森林伐採や洪水で発生した土砂が河川に流れ込むのを防ぐ―など。