科学の基礎となる世界観にも、流行廃りというのがあって、事態を思いっきり単純に二元論的にいってしまうと、それはホーリズムとリダクショニズムのせめぎ合いによるものではないかと思っている。 ホーリズムとは、全体は部分に還元できず、全体は部分の和以上のものであると見なす、アリストテレスの形而上学をはじめとする考え方のことだ。これに対して、全体は部分に還元可能だし、部分は全体に統合可能だと規定する、デカルト流のリダクショニズムがある。ホーリズムとリダクショニズムは正反対をなしているとされる。 最近、福岡伸一さんが新書を中心に盛んにエバンジェリングをしているシェーンハイマーの「動的平衡仮説」なんて、典型的なホーリズムである。その他にも、ニールス・イェルネの免疫ネットワークや、デビット・ボームのホログラフィックユニバースのようなものもある。80年代から90年代中盤まで流行って廃れた複雑系科学は、ホーリス