図1 DTNによるデータのやりとりのしくみ ストア・アンド・フォワード方式でデータをやりとりするため,ストレージの使用を前提とする。 DTN(delay/disruption-tolerant networking)は,中断や切断が多発したり,大きな伝送遅延が生じたりする“劣悪な”通信環境でも,信頼性のあるデータ転送を実現する通信方式である。もともとは惑星間インターネットといわれる宇宙空間の通信手段の研究から生まれてきたものだ。 インターネットで信頼性のあるデータ転送を行う場合,トランスポート層のプロトコルとしてTCPを使う。ただしTCPは,物理的なリンクがちょっと切れただけでも通信に失敗する。また,データを送受信するときに伝送遅延があるとパフォーマンスが悪くなる。これは,TCP/IPによる通信では,エンド・ツー・エンドの物理的なリンクが安定しているという前提に立っているためだ。 これに対
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