また、LUCAは2.75Mb(2.49~2.99Mb)のゲノムを持ち、約2657(2451~2855)のタンパク質コード遺伝子を持っていたと推定できた。この数字は、以前の研究で示された推定値を大幅に上回っており、現代の原核生物に匹敵する規模。LUCAが想像以上に複雑な生物であった可能性を示している。 LUCAの代謝能力については、酸素を必要としない嫌気性のアセトゲンであったと推測される。Wood-Ljungdahl経路を用いて二酸化炭素と水素から酢酸を生成する経路を用いて炭素固定を行っていたと考えられ、これは初期地球の無酸素環境に適応した代謝様式だったといえる。 興味深いのは、LUCAの生態学的な位置付けである。従来、LUCAは孤立した存在と考えられていたが、この研究ではすでに確立された生態系の一部であったと推測している。LUCAの代謝活動が他の微生物の生存環境を作り出し、多様な生態系の形