旧大日本帝国海軍の連合艦隊司令長官を務め、最終的な階級は元帥海軍大将という山本五十六氏は、軍隊というピラミッド型の上意下達組織において、最上位階層のなかでも頂点にほど近いポジションに就いていた人物でした。 いわば一流の組織人であり、有能なリーダーだった山本氏。その存在感の背景にあるのは、際立ったマネジメントスキルと求心力、確かな人材育成力でした。 前回紹介した「男の修業」と並んで、山本氏の残した言葉として頻繁に持ち出される名言に、次のような一節があります。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー やってみせ 言って聞かせて させてみせ、ほめてやらねば 人は動かじ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「人材を動かしたいのであれば、まずは、自分でやってみせる。そのうえで、きちんと説明や解説を加える。そして、実際にやらせてみるわけだが、大切なのはしっかりと褒めてやること」……意味合い