「洋服なんて布切れですよね」とレナウン本社で言ったとき、会議室の空気は一変した。「ユニクロのネットショップ世界展開が失敗する原因」というコラムを書いたあと、Web制作会社のロフトワークから、「レナウンさんと打ち合わせがあるので、同席しませんか?」と誘われたときの話だ。確実に「連れてきて失敗だった」と思われただろうが、アパレル業界が扱っているのがしょせん布切れであると意識しないと、ECサイトがうまくいくとは思えない。 レナウンのメンズブランド「D'URBAN」のスーツは、だいたい10万円。青山商事が展開している「THE SUIT COMPANY」なら2万円か3万円、TOM FORDで仕立てたら最低50万円はするが、どれもしょせんは布切れだ。では、私の自宅ハンガーには、なぜD'URBANのスーツがかかっていて、なぜ「1着くらいはTOM FORDのスーツも欲しいな」と思っているのだろうか。しょせ
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