増田文学に関するgowalkのブックマーク (3)

  • 小さな図書館の思い出を喋りたい

    近畿郊外のベッドタウンの話だ。 その片隅の、さほど大きくない団地に育った。 団地とともにできた集会所の中に、小さな図書館の分室があった。 学校の教室一つぶんよりも小さいそこに、子供のころ足しげく通った。 児童書コーナーにあったはおそらく全部読んだと思う。 漢字がわかるようになると、鉄道ファンの積みあがったバックナンバーをひたすらに読み漁った。 身長が伸びてくると、棚の上の方にあったソノラマ文庫に手が届くようになった。 クラッシャージョウに世間から十年遅れくらいでドハマりした。 コバルト文庫やソノラマ文庫の並んだ中に、いつごろかロードス島戦記と風の大陸が入った。 ライトノベルを読み続ける一生は、この図書館に教えられた。 いつしか小さな図書館の蔵書では物足りなくなり、自分でを買いそろえるようになると、徐々に足は遠のいていった。 やがて団地そのものから引っ越すことになり、最後に行ったのはも

    小さな図書館の思い出を喋りたい
  • 30才になってしまった。

    30才になってしまった。 つくづく思う。若さがもたらすエネルギーはすごい。10代の頃を思い返すと、とても正気だったとは思えない。 誕生日の記念に自分の人生をざっと振り返ってみたい。長くなるか、すぐに終るか、それは書いてみないとわからない。 2年前からイーストヴィレッジのセントマークスで仲間達とバーをやっている。大抵はヒップホップがかかっている。客層は黒人、日人、ヒスパニック。 日酒がメインのバーにするはずだったが、すぐにうやむやになってしまった。夏はフレンチスタイルのパナシェがよく売れる。地元の人がこれを読んだら、もう場所を特定できてしまうと思う。 大儲けとはいえないが、店はそれなりに繁盛している。僕はほぼ毎日カウンターかDJブースにいる。ちなみに趣味はボディビルで、アマチュアの大会で2回ほど入賞したことがある。 まさか自分がこんな生活を送るようになるとは思わなかった。中学生の頃は、江

    30才になってしまった。
  • これからどうしよう

    短大はなんとか卒業したものの思った通りの就職先がなく、今は精肉卸で配送のドライバーをしている。 堅苦しいルールもなく女性は珍しいからと重宝されてはいるけど、まわりはおじさんばかりで楽しいことは一つもない。 給料がいいわけでもないけど仕事がつらいわけでもなく何となく辞める理由も続ける理由もない毎日を送っている。 飲店の開店前に配達しなければならないから、朝の6時前には積み込みを終わらせて軽トラを走らせる。 会社のすぐ近くにあるしばらく続く桜並木は毎朝の配達ルートで、ランナーや散歩をする人ばかりでこの時間から仕事をしているのなんてわたしくらいのものだ。 そんな中で、先月のはじめころに彼を見つけた。 中肉中背、とくべつ顔が良いというわけではないけど、要するに一目惚れだった。 姿勢が良かったとか、父親にちょっと似てたとか、朝の木漏れ日に走る姿が素敵だったとかそれくらいの理由だ。 退屈な毎日の繰り

    これからどうしよう
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