1980年代のアメリカは、ひと握りのマイクロブリュワリーが大手ビールメーカーによって独占されていた全米のビール市場に挑戦を始めた時期だった。アメリカ西海岸から始まったこのクラフトビール革命は、後にニューヨークを経由して全世界に広まっていくこととなる。新しくて創造的で、バリエーション豊かなクラフトビールは、人々の価値観をどう変えたのか? 写真: Collin Huges 文: 佐久間裕美子 2012年にクイーンズ地区の倉庫にオープンした「シングルカット・ビールスミス」。地の利の悪さにもかかわらず、ビールマニアたちがわざわざやってくる。週のうち3日をビールづくりにあて、4日間は醸造所を見学者に開放している。 序章 「ブルックリン・ブリュワリー」の誕生 アメリカ西海岸から始まったクラフトビールブームは東海岸へ。「ブルックリン・ブリュワリー」の誕生でビール業界の勢力図は大きく変わる。 ホームブリ