たとえばベージュ、あるいはブルー、時には文字柄、時々チェック……と、さまざまなパターンはあるが、そのほとんどを今回「ワントーン・コーディネイト」で仕上げた。すなわちコート、インナーのブルゾン、ボトムスまでのすべてのアイテムが、同じ素材、同じ色柄で統一されている。 これは、サカイ史上、初めてのことである。デザイナーの阿部千登勢氏は、このスタイリングを「ニュー・スリーピース」と表現する。温暖化に加え集中豪雨など、気候変動の激しい今、そしてビジネスにもクロップド・パンツが受け入れられ、遠からず膝丈ショーツでの通勤も、一般化するかもしれない現在、こんな新メンズ・スリーピースは、十分に現実的で、そして、とにかく、服として美しい。 もうひとつ今回、特徴的なのは、「サカイらしい特徴をあえて除外した」こと。そう、1999年のデビューから一貫して、同ブランドの個性はハイブリッドにあった。ひとつのアイテムにニ