群馬県を流れる利根川支流の吾妻川、そのさらに支流に湯川と名づけられた川があります。 この川は、有名な草津温泉をはじめ、白根山麓から湧き出る強酸性の温泉が大量に流れ込むため、昔から生物の棲めない「死の川」と言われていました。 しかし、「死の川」を「生の川」にするべく、湯川は現在、年中無休24時間営業で川の水が中和され続けているのです。 (萩原 雅紀) 中和の方法 強酸性の弊害は生物だけでなく、湯川が合流したあとの吾妻川は水道水や農業用水として利用できなかったり、金属やコンクリートを溶かしてしまうため橋脚や堤防が造れないなど、どうにも利用できない「リアル三途の川」状態でした。 そこで、酸性化最大の原因である湯川を中和することになったのですが、酸性を中性に持ってくるために採られた方法はアルカリ性のものを川に投入し続けるという、シンプルかつ剛胆な方法。 強いアルカリ性で、常に川に投入し続けられるほ