文字を入力する業務用の機器といえば、いまはパソコンが一般的。その前はワープロ。ではその前は……実は国内でその座を長きにわたり保持していたのが、「和文タイプライター」でした。 アルファベットを打てば用が足りる英文のタイプライターとは違い、「和文タイプライター」では多くの種類の文字を扱います。特に漢字の数は膨大で、2000字をゆうに超える膨大な活字の中から使用する字を探し出して打ち出す、まさに「職人芸」が必要とされました。 2000字以上の活字の中から、使用する字を探し出して打ち出す「和文タイプライター」 実用邦文タイプライター教科書(竜成社出版部)より 全ての写真はこちらから! その和文タイプライターは1915年に活版術改良協会の技術主任だった杉本京太氏により「邦文タイプライター」として発明されたもの。これにより日本語の文書作成は一気に効率化し、1920年代以降の政府公文書や企業の商用文の多