パナソニックは14日、調達、物流の両本部を12年4月にもシンガポールに移すと発表した。アジアで安価な部材調達を加速するとともに、円高に対してドルでの調達を増やす。また、世界の取引先企業を1万7000~1万8000社(10年度)から12年度までに約1万社へと約4割減らすなどの調達改革を進め、年約600億円のコスト削減を狙う。日本企業の本社機能の海外移転は異例。取引先企業の削減は、国内の下請け企業に大きな影響を及ぼす可能性が高い。 部材の購買は利益に直結するため、調達部門は本社機能の重要な位置を占める。専門家は「調達部門を海外に移すのは珍しい。今後、電機以外の業種も含めて追随する動きが出る可能性が高い」(りそな総合研究所の荒木秀之主任研究員)と、企業の“日本脱出”の前触れと指摘する。 パナソニックは世界に約250カ所ある生産拠点のうち約100カ所が日本以外のアジアに展開。調達部門をシフトするこ