ドゥルーズとかバタイユもちょろっと出てくるけど、フロイト理論を地で行く小説。とりあえず句読点少ないわ文章びっしりだわで読みづらいのだが、そもそも意識化されないものを書こうとしてるわけでこうなるのもしょうがないか。夢と虚構をさまよいながら様々な人生を送るサラリーマン兼作家の主人公は夢の中で侍とヤクザの争いを見るわけだけど、これって超自我とタナトスの戦いが夢に出てくる形で書かれている(と思う)。最終的に虚構の中の家族に対し鏡像段階を連想させる劇を演じさせ、タナトスに殺されるために出向く主人公。力作という感じ。