平安時代から、人は生き物のサバイバル戦略に注目していた。伊勢物語第四十三段が描くホトトギスとはどんな鳥……?
序 安房直子。美しく柔らかく、少し怖いような、類稀な作品を多く残した童話作家であり、熱烈なファンは多い。 民話的な要素を色濃くもった彼女の作品群の、骨太で深い独自の魅力は、どのような構造の中に秘められているものなのだろうか。 ずっと考えてみたいと思っていたこのテーマに関して、いくつかのアプローチを提唱してみたいと思う。 さて、安房直子の物語は、その多くが、まず、現実へのアンチテーゼとしての異世界を配した、古典的なまでにクリアな二項対立の「物語」の構造として捉えることができるものだ。 童話集「銀のくじゃく」の解説において、工藤直子はそれを「もうひとつの国」と呼び、「現実」の社会的日常世界に対立する個的な幻想世界として位置づける。そしてさらに「遠い野ばらの村」の解説では、松谷みよ子が、それを「いまいる自分の世界に閉じ込められたように思うとき、ひとは息苦しくなります。(中略)こういう世界もあった
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