業者が〝談合〟をしやすいように契約情報を漏らし、見返りに現金を受け取る。今どきの公務員ではなかなかお目にかかれないあからさまな贈収賄事件が6~7月、大阪府警に摘発された。舞台となったのは、関西以西の高速道路の建設や維持・管理を担う「西日本高速道路(NEXCO西日本)」(大阪市北区)。看板設置と廃棄物処分の業務をめぐり、2人の社員が逮捕された。同社は国の政策上の事業を行う「特殊法人」で、高速道路株式会社法で職務に関連して賄賂を受け取ることが禁じられている。社長は「法律順守の意識が欠如していた」と陳謝したが、逮捕者にその認識はあったのか。近年、特殊法人や独立行政法人の職員による汚職事件が後を絶たない。公務員並みの高い職業倫理が求められるにもかかわらず、今年だけでも少なくとも5件摘発されている。企業のコンプライアンス(法令順守)に詳しい専門家は「法令順守の意識を植え付ける研修を義務化した方がいい