円安ドル高が急速に進んでいる。円安は自動車など輸出関連産業にとって収益の押し上げにつながる半面、輸入品の原材料価格の上昇などで家計や一部の中小企業にとっては逆風となる。識者からは、過度な円安は「格差拡大」につながると懸念する声も上がっている。 輸出関連業種にとって、円安は採算改善が期待できるため追い風だ。トヨタ自動車の平成28年3月期の想定為替レートは1ドル=115円で、1円円安になると営業利益が400億円押し上げられる。想定レートが1ドル=118円の富士重工業も、1円の円安で営業利益が98億円増える。 もっとも、自動車業界では海外の需要のある地域で生産する“地産地消”が主流になっており、「円安だからといって日本からの輸出を大きく増やすのは難しい」(大手幹部)との声もある。 大阪ガスの本荘武宏社長は28日、記者団に、ガスの供給先である関西企業が円安で輸出を増やすなどして追い風になると