ストライキといえば、ワインやチーズと並ぶフランスの名物。フランス革命の時代から、こうした抗議活動は不満を訴える民衆の特権であり続けてきた。しかし、いまフランスで巻き起こっているストには、伝統的な抗議活動とは少し違う面もある。今回のストやデモが、従来のものより深刻になっている理由を4つ挙げてみよう。 1.明確な動機がある 通常のストは明確な動機がなかったり、限られた人しか共感できない場合も珍しくない。昨年秋にはパリで、ニコラ・サルコジ大統領の右派寄りの政策や高い失業率への不満を訴える抗議活動が行われたが、デモ行進では具体的な要望は掲げられなかった。 しかし今回は、年金改革のために退職年齢を現在の60歳から62歳に引き上げるという政策への抗議という明確な目的がある。法案はすでに下院で承認され、上院での採択を待っている状態だ。 2.規模の大きさと暴力の横行 今回は全国で連日300万人以上が参加す