プロジェクト・マネジャーが自分の経験を基に,プロジェクトの計画を策定したり,進捗管理を行ったりする──。従来のこのやり方が限界に近づいている。製品や技術の高度化・専門化が進んだことでプロジェクト・マネジャーの経験が通用しないケースが増えたり,ビジネスの改革につながる高度なシステム案件が増えたりするなど,プロジェクトに関するリスクが多様化しているためである。 そこで注目を集めているのが,プロジェクト・マネジャーの経験や勘に頼らない科学的な進捗管理の手法である「EVM(Earaned Value Management)」だ。プロジェクトで実施すべき作業を細かく分割し,それぞれに対して定義した予定コストに基づいてプロジェクト全体のスケジュールやコストの状況を可視化するものだ。ここでは,進捗管理手法の本命と言えるEVMの基本を解説する。 Part1 科学的な進ちょく管理が不可避に Part2 作業