政治 【特別評論】松元剛 琉球新報政治部長 鳩山「方便」発言が問うもの2011年2月18日 Tweet 米軍普天間飛行場の県内移設の理由に挙げた「抑止力」について、鳩山由紀夫前首相が「方便だった」と証言した波紋が、本質からずれる形で広がっている。抑止力の虚構性など、追及されるべき大事な論点が、中央政局の陰で埋没する本末転倒の状況が続いている。 名護市辺野古への移設を譲らない米側に屈し、県民や国民に説明できないため、方便を用いて県内移設の理屈を繰り出した―。政治主導を掲げた前首相のあっけない挫折劇の実態を知った県民の間で、怒りと失望が再び噴き出しているのは当然のことだ。 その一方で「やはり、そうだったか」と冷静に受け止めた人も多いだろう。鳩山証言を今後の基地問題の反転攻勢にどう生かすのか。沖縄社会に突き付けられた重い課題でもある。 国会での論戦や在京大手メディアの報じ方の大勢は、失言