現代の日本社会には、若者を食い物にする「ブラック」な仕組みが満ちあふれている。 その嚆矢ともいえる「ブラック企業」は、若者(特に大学新卒)を大量に採用し、過酷な労働で使い潰す企業のことを指す。彼らの労務管理の重要な点は、彼らがあたかも好待遇であるかのように「正社員」として採用する手法を採っていることにある。「人手不足」が言われてはいるが、失業者や非正規労働者は今でも少なくない。ブラック企業にだまされる若者は後を絶たないのが現状だ。 間もなく就職活動シーズンを迎えるが、本稿ではブラック企業の特徴である「異様な採用選考」を扱う。過酷な労働に従事させるべく、大量採用した若者を戦略的に心理的に追い詰めていく、あくどい手法の実態と対処法について、実例をもとに解説していこう。 ©iStock.com 13人いた同期は半年で8人が辞めた 私が代表理事を務めるNPO法人POSSEでは、日々若者からの労働相