「恥ずかしながら、最低視聴率を叩き出しまして…。ただ、視聴率が話題になるNHKの番組は紅白と朝ドラと大河ぐらいなものなんで、それだけ関心を持ってもらえてるとポジティブにとらえています」 取材前にこう明かしたのは、2021年の大みそかに放送されたNHK紅白歌合戦で、総合演出を担当したNHK制作局チーフ・プロデューサーの福島明さん(40)。今回はテーマに「Colorful~カラフル~」を据え、「紅組司会」「白組司会」をやめて司会の3人が出場歌手を応援。紅白の基本コンセプトを新しいものに変えようと制作側で中心的な役割を担った一人だ。賛否が分かれた紅白を振り返り、今だから話せる一夜限りの番組に込めた思いと、その舞台裏についてじっくり聞いた。(全2回の1回目/後編に続く) 100人いれば100人の紅白論がある ――今回の紅白に対しては、放送前も放送後も、いろいろな意見がありました。「コンセプトを変え