デジタルコンテンツ市場が拡大するにしたがって、従来の著作権がビジネスや技術と衝突する場面も見られます。法律の現場ではどのような議論がなされているのでしょうか。デジタルコンテンツと著作権事情に詳しいリーバマン法律事務所の石井邦尚弁護士にお聞きしました。 成井:マドンナが「リアルのビジネスで稼ぐので、CDなどはどうでもいい」と発言していましたが、デジタルはリアルのプロモーションに過ぎないというケースもありますね。こういった場合は著作権法の除外と言いたいかもしれない。試聴管理という意味のトラッキングも重要です。 石井:試聴管理も、利便性とともにユーザーの感情に配慮する必要があります。「Aさんが、このコンテンツを、いつ、どこまで見た」などという情報は、その人の思想、信条やライフスタイルなどにも関わる非常にセンシティブな情報で、ほとんどの人は、少なくとも個人が特定できる形で情報が蓄積され、利用されて