それでは、なぜ孫を養子にすると節税になるのか、簡単に説明しよう。 そもそも法定相続人は「配偶者」と「子ども」とされており、「孫」は対象外である。しかし、「養子」は法定相続人になれるのだ(ただし、子どものいない夫婦で2人まで、子どものいる夫婦は1人まで)。 そして、まず基本的には、相続税というのは遺産の額が多ければ多いほど税率が上がる「累進課税」になっているため、法定相続人が多いほど相続税がかからないで済む額が増える。相続税は遺産をもらった遺族一人ひとりに対して、そのもらった遺産額に応じてかかってくるものであるため、なるべく多くの法定相続人に遺産を分散して、一人ひとりのもらう額を減らしておけば低く抑えることができるのだ。 ただこの方法だと、子どもたちにとっては、自分の遺産の取り分が減ることになり、“争族”の火種になるケースもあるという。とはいえ、少子化で一人っ子の家庭が増えた現在、こうしたト