シリアの停戦は3日、米国がロシアとの協議の中断を発表し、完全に破綻した。破綻した最大の理由は、ロシアとシリア政府がアレッポの反体制派支配地区への空爆を停止しなかったことだ。その背景には「反体制派を過激派に近づけて米国の支援を阻み、将来の和平交渉から反体制派を一切排除する」(米有力紙)というロシアの深謀遠慮がある。 米に武器援助をちゅうちょさせる 今にして思えば、ロシアは12日に発効した停戦を最初から守るつもりは全くなかったし、アサド政権軍にも守らせるつもりがなかったのではないか。「ロシア軍機による攻撃」(米情報筋)とされる国連の人道支援物資トラックの爆撃(19日)も起こるべくして起こったのかもしれない。 民間の監視団などによると、ロシア、シリア軍機はアレッポ東部の反体制地区に対して、この2週間で約2000発の爆弾を投下。その中には地中貫通爆弾やサーモバリック爆弾(気化爆弾)などの殺傷力の強