日本における精神疾患の患者数はおよそ400万人。30人に1人の割合という高い割合ですが、精神疾患の兆候や症状については、それほど広く知られてはいません。 そこで今回は、株式会社トキワ精神保健事務所の創業者で、ドキュメンタリー漫画『「子供を殺してください」という親たち』が注目を集める、押川剛さんにお話を伺いました。 見落とされがちな精神疾患のサイン ――押川さんは普段どのような活動をされているのでしょうか? 「現在やっていることは、精神疾患の患者さんの中でも病識(自分が病気だという認識)がない方に対して説得を行い、精神科病院などの医療につなげることです。漫画やテレビの取材などでは『精神障害者移送サービス』という部分がクローズアップされることが多いですが、患者さんとの関わりは最初に出会ったときから、彼らが社会復帰し、安心して暮らせるようになるまで続いていきます。 例えばグループホームに入所した
精神科病院と聞くと、あなたはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。「怖い」「暗い」「鍵のかかる場所に閉じ込められる」などといった想像をする人が多いかもしれない。 そんな、ネガティブな印象を持たれやすい精神科病院だが、その実際はどのようなものであろうか。精神科病院のリアルを描いた2冊のコミックエッセイ、『精神病棟ゆるふわ観察日記』(宝島社、杉山なお)と『精神科ナースになったわけ』(イースト・プレス、水谷緑)から、精神科病院や精神疾患について考えてみたいと思う。 いずれの作品も精神科病院を題材にしたコミックエッセイである。看護師視点とアルバイトスタッフという立ち位置の違いなどはあるものの、実際の体験をベースにしているという点は同じだ。 ただし、この2冊には決定的な違いがある。それは、読者が精神疾患を“自分ごと”として捉えられるかどうか、という点だ。 「観察」という名の、ネタ探し……病棟内の出来
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