2016年11月より、筆者も所属する東京大学高齢社会総合研究機構が中心となって『リビング・ラボ(Living Lab)』という“新しい地域活動(イノベーション活動)”を開始させた1。場所は鎌倉市の北部に位置する今泉台地域2である。世界では約400のリビング・ラボが存在しているが、日本で確認できるリビング・ラボはまだ10にも満たない程度である。しかしながら近年、数多くの企業がリビング・ラボに関心を寄せてきている3。そこで改めて「リビング・ラボとは何か」、また「鎌倉リビング・ラボ」の状況について紹介したい。 リビング・ラボは、一言では「住民(ユーザー・当事者・生活者)と企業や自治体、大学・研究機関等の関係者が“共創”する場(活動)」のことを指す。基本的な活動は、「テストベッド(TEST BED)」と呼ばれる活動の拠点があり、そこで、いわゆるPDCA[Plan(計画)→ Do(実行)→ Chec