オバマ大統領が接戦(得票率は51%対48%)を制し、さらに4年間、政権を率いることになった。オバマ政権を取り巻く外交・安全保障環境は課題が山積だ--中国の台頭、イランと北朝鮮の核問題--。これらの問題にどう臨むのか。さらに、民主党政権の誕生以来、一向に安定しない日米関係はどこに向かうのか。「アメリカ世界を読む」などの著書がある川上高司・拓殖大学教授に聞いた。 オバマ大統領がもう4年間、政権を担当することになりました。米国の外交・安全保障政策はこれから、どの方向に向かうでしょう。 まず2つの前提があると思います。1つは、2期目のオバマ政権のプライオリティは外交ではなく内政、具体的には「合衆国再生」にあることです。オバマ大統領は米国を、建国の父たちの時代のような、経済的に豊かで、規律正しく、世界の模範となる国にもう一度したいと考えているでしょう。そのためには時間がかかる。 加えて、人口構造が変