記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 『孫子』は、中国古代の春秋時代、紀元前五世紀から前六世紀の頃に、孫子(孫武)によって書かれた兵書、というのが定説である。今から2600年も前のことである。 短い本で、字数にして漢字6000字ほどに過ぎない。古来さまざまな版があるが、この本で引用している岩波文庫版(金谷治訳注『新訂 孫子』)の本文ページ数は、漢文、読み下し文、注記、現代語訳をすべて含めてもわずか160頁弱である。漢文だけであれば、40頁にもならないだろう。 本の構成は、次の13の篇からなる。どの篇も短く、しかし魅力的なタイトルと内容になっている。 計篇(第1)、作戦篇(第2)、謀攻篇(第3)、形篇(第4)、勢篇(第5)、虚実篇(第6)、軍争篇(第7)、九変篇(第8)、行軍篇(第9)、地形篇(第10)、九地篇(第1