直木賞に選出された「ほかならぬ人へ」著者の白石一文さん(左)と「廃墟に乞う」著者の佐々木譲さん。芥川賞は該当作なし=14日午後、東京・丸の内の東京會舘(古厩正樹撮影) 14日に発表された第142回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)。芥川賞は11年ぶりに該当作なしだったが、直木賞はダブル受賞となった。東京・築地の料亭「新喜楽」で行われた選考の過程、講評を紹介する。 ◇ □芥川賞 該当作なし ■池澤氏「一本強いものが足りない」 芥川賞の選考は約2時間に及んだが、11年ぶりの「該当作なし」との結果となった。選考委員の池澤夏樹氏は、報道陣を前に「せっかくこんなにお集まりいただいたのに、残念なことに賞は出ませんでした」と苦い表情で選考経過を明かした。 1回目の投票で、票を獲得できなかった羽田圭介『ミート・ザ・ビート』と支持1人のみの大森兄弟『犬はいつも足元にいて