状況は中国でも同じである。2000年からの北京在勤時代には、中国の大学でよく日中関係の講演をさせてもらった。その際はいつも、「1960年代後半から70年代にかけての日本の過激な学生運動は中国の文革の影響を強く受けていた」と説明する。先生方は大いに当惑し、学生たちは目を丸くして驚いていた。中国の若い世代も文革のことは詳しく知らないのだ。 筆者が文革に興味を持った理由は簡単である。1953年生まれの筆者がもし北京で生まれていたら、自分の人生はどうなっただろうか。それを考えれば、現在の中国社会をより身近に感じるのではないかと思ったからだ。 その後約3年間、暇を見つけては文革の「聖地」を巡った。自分と同世代の中国人から辛かった昔話を聞いた。案の定、彼らの口は重かった。だが、次第に打ち解けると、少しずつ本音を語ってくれるようになった。彼らの辛苦に心から同情し、涙したことも1回や2回ではない。 日本に
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