第38回 トヨタは雑草から、メルセデスはアマゾンから部品開発 地球環境問題評論家 船瀬 俊介氏 2007年1月22日 野の雑草が、自動車部品に! にわかには信じがたい話だ。しかし、いまやエコロジー時代。テンプラ油でディーゼルトラックが走るご時世。これくらいのことに驚いてはいけない。 トヨタ自動車グルーブの一つ、愛知県刈谷市のトヨタ車体は2005年8月6日、雑草を自動車部品の原料にすると発表、業界を驚かせた。同社が着目したのは雑草のチョマ(苧麻)。麻の一種で山野に自生する。 名もなき草々とさえ言われる雑草。初耳の人がほとんどだろう。百科辞典で調べてみた。「カラムシなどとも呼ばれ、山野、とくに人家近くに生えるイラクサの一種」とある。日本では本州から沖縄に分布。古くは繊維作物として栽培されていた。「茎は高さ1.2~2.4m。成熟すると茶褐色となり、葉は広い卵形……」云々。茎からは丈夫な