船上での海洋調査実験風景 海洋生物ポンプでCO2を固定 ―― 地球温暖化抑止策への取り組み ―― ■ ■ ■ ● 生物ポンプによる炭素循環 鉄分の供給で海を活性化 生態系モデルの開発 ひとこと 我孫子研究所応用生物部 主任研究員 西岡 純 生物ポンプによる炭素循環 地球全表面の約70パーセントを占める海洋は、産業革命以降、人類が化石燃料を使用するこ とで大気中に放出された二酸化炭素(CO2)の約30∼40パーセントを吸収してきたと言われて います。海洋が今後どれだけのCO2を吸収するかを明らかにすることは、地球温暖化の原因とな る大気中のCO2濃度の将来を予測する重要な研究です。近年、温暖化対策の一つとして、海洋の 生物活動を利用することにより大気中のCO2を海洋に閉じ込めることができないか、可能性をさ ぐる研究が行われるようになってきました。 電力中央研究所では、海洋の生物活動が炭