食事は私たちの生活の基盤をなすものですが、食生活にはその人の生活の様子が如実に反映してくるものです。 「うつ」の方々の治療を行なう中で、クライアント(患者さん)に食生活の内実を仔細にうかがってみると、その人が「うつ」に陥る背景となった問題点がそこに象徴的に表れていることがわかります。 そこで今回は、食生活という観点から、現代人が陥りがちな不自然な状態について検討してみたいと思います。 「同じもの」を食べ続ける人々 ――昼食は、いつも同じカップ麺を食べていた。 ――毎朝、同じファミレスで同じモーニングセットを食べ、昼は数か所のランチを延々とローテーションし、夜はいつもコンビニ弁当を食べていた。 このように、「同じもの」を延々と食べ続けるような食生活になっている人が案外少なくありません。 このような食生活を続ける人にとって、食事はいわばガソリン補給のようなものになっていて、その都度「何を食べよ