高田直芳(公認会計士、公認会計士試験委員/原価計算&管理会計論担当) 【第25回】 2010年01月22日 第21回コラムでは、トヨタ自動車などのデータを元に「損益デッドクロス」を紹介した。第23回コラムではソニー・富士通・NECの決算データを用いて、損益デッドクロスから経済学の企業行動論へと展開していった。そして第24回コラムは、「西の横綱」と呼ばれたパナソニックを取り上げた。 話題の連続性からすれば今回は、かつて「東の横綱」と呼ばれた日立(日立製作所)を取り上げるのが自然な流れだろう。ところが、今度ばかりは、お手上げだ。分析資料をいくら眺めても、どう説明していいのか、わからない。日立の業績が低迷しているのはもちろんだが、何によりも同社には、切り込むにあたっての“話題性”がないのである。 例えば新聞や経済雑誌などを読んでいると、ソニーはゲーム、富士通はスーパーコンピュータ、東芝は原子力、