連邦政府は、入ってきた難民を容赦なく州に送り込み、州政府はそれを仕方なしに自治体に振り分けるため、困窮しているのは、結局、実際にその難民を受け入れている市町村だ。 難民は生身の人間だから、収容場所が整うまでどこかに積んでおくわけにもいかず、送られてきたその瞬間から、最低限の衣食住の手当はしなければならない。そしてその後も、学校、託児所の手配、さらに医療や心理ケア、ドイツ語習得のための講座と、さまざまな庇護が必要になる。 その結果、どの自治体でも、お金はもちろん、住宅、職員、教師などすべてが不足し、すでににっちもさっちもいかない状態だ。閉鎖した工場や倉庫や兵舎、倒産したホテルやスーパーマーケットから、学校の体育館にまでベッドを並べている自治体もあれば、老人ホームの居住者を違う階に移して場所を作ったり、集落のはずれの空き地にテントを並べたりして急場をしのいでいる自治体もある。 難民認定を受けて