学術論文を書こうと思った時、ふと気になる疑問が浮かびます。要旨(アブストラクト)と序論(イントロダクション)は何が違うのだろう?序論には、要旨を繰り返し書けばいいのだろうか?どちらも論文の内容を説明するものではありますが、それぞれ異なる要素が求められます。 論文の読者は、ほとんどの場合、まずタイトルで興味がある分野の内容なのかを判断し、次に要旨を見て、本文に読み進むかを判断します。よって、要旨は論文全体の要約として、簡潔かつ端的であることが求められます。一方、序論は、論文の内容に踏み込み、研究の背景や研究によって実現したいこと、仮説などを簡潔に記載することが求められます。いずれも読者を論文に引き込むために、非常に重要な役割を持つものです。この機会に要点をつかんでしまいましょう。 ■ 要旨(アブストラクト) 要旨の役割 要旨(アブストラクト)とは、研究の背景や方法から結論まで、論文の概要を簡