ソニーでVAIOなどの大ヒット商品を手がけ、グーグル日本法人代表取締役社長を務めた辻野晃一郎氏が、「日本企業が没落する理由がこれを読めばわかる」と推薦する本が、『朝日新聞政治部』だ。 同書は、朝日新聞政治部の元エース記者だった鮫島氏が、ある事件をきっかけに失脚し、会社に最後まで抗いながら退職するまでの出来事が生々しく描かれている。 朝日新聞の凋落は「あなたの会社の凋落」に重なる 圧倒的な面白さで読み応え十分なノンフィクションだ。新聞記者生活で鍛えられた鮫島さんの確かな筆力で綴られた本書は、一度読み始めたら引き込まれて止められない。ところどころで日本の政治史や事件簿を再確認しながらも、一気に最後まで読み進んでしまう。 舞台は天下の朝日新聞社。ネットメディアの台頭に押されて凋落を続けるオールドメディアの「凋落の本質」が、鮫島さんという一人の反骨精神豊かなエリート政治記者の栄光と挫折を通じて生々