広告や建築の世界は、昔から「競合コンペ」は当たり前のビジネススタイルでした。とにかく、いろんなアイデアを見たいというのが、クライアントの基本的な姿勢。大きなお金をかけるのですから、当然のこととして受け止められていました。 特に広告代理店では、クライアントを失うのは初めから織り込み済みで、その穴埋めのためにも新規クライアントを獲得することは、通常業務の一部として行われています。 ところが、リーマンショック以来、以前にも増して競合コンペは当たり前の風潮になり始めました。広告、建築に限らずほとんどの業界にこの波が押し寄せています。今までなら、金額だけの入札で済んでいたところまで、中身の競合を含むようになったのです。私は競合に慣れている身と思われているせいか、近ごろ、競合コンペの相談がひっきりなしです。 ま、この流れは当然と言えば当然。競合コンペは、アイデアを買うものですから、中身の伴わない競合は