前回から、書籍を辿り、TDDの再考を試みています。TDDを既に知っている、実践しているという人にとっても、TDDについて新しい発見、ジャメヴ(未視感)が起きれば幸いです。 付録AにはTDDの狙いが含まれる著者のケント・ベック氏は、そもそも、プログラミング中にどんなフラストレーションを感じて、テストファーストやTDDを編み出し解消を試みたのでしょうか? 彼が解きたかった問題の説明は、書籍の三部で記載されたパターンの問題記述や25章の「テスト」に出てくる因果ループ図、付録Aに記載された因果ループ図が参考になります。 新訳『テスト駆動開発』が出版されたときは、和田さん書き下ろしの付録Cに注目が集まりましたが、実は付録Aの因果ループ図も「著者が取り組みたかったテーマがいったい何だったのか?」を的確に把握する上で欠かせません。 今回は、付録Aに記載された因果ループ図を参考に、「ケント・ベックが解消し